空き部屋の夢に泣いた切ない想いが胸を痛める
夜更けの静かな部屋で、夢の中に身を任せた私は、心に刻まれたある出来事を再び体験するのでした。それは、部屋が空きっぷり一つなく、全ての物が突然搬出されるという、切ない夢だったのだ。
夢の中で、部屋の扉を開けると、そこには広がる空き床と壁一面の白い壁紙が広がっていた。以前はいっぱいに詰まっていた家具や荷物が一つもない。心臓がドキドキとするような恐怖と不安に包まれながら、私は部屋の中を探し始めた。
部屋の隅に置かれていた小さなテレビの前に、家族と過ごした思い出の写真が並んでいた。しかし、その写真も何処かへと移動しているようで、空っぽの額縁が目の前に広がった。子供の笑顔や家族の団欒の瞬間が思い浮かび、胸が切ない気持ちに包まれた。
更に部屋の中を歩き回るうちに、壁に貼られていた子猫の絵がなくなっていたことに気づいた。それは私にとって特別な絵で、何度も描き直してきた大切な作品だった。しかし、今はただの白い壁に戻っただけだった。
その時、部屋の中央に立って、突然何かが見えた。それは、部屋の中央に浮かぶ一つの箱で、そこには私の大切な記念品が入っているはずだった。しかし、箱も空っぽで、中には何もなかった。その箱の上には、小さなメモが一枚あり、その中には「大切な思い出は、心の中にいつも持っておこう」と書かれていた。
夢の中で泣いていた私は、その言葉に心を打たれた。大切な思い出や愛する人々がいなくなることの恐怖と、それでも心の中で永遠に彼らを守り続けたいという切ない願望が交錯したのだ。
夢が解けて、目を覚ますと、部屋はいつものように温かく、静かだった。しかし、その夢の記憶が胸に重くのしかかり、心の中で小さな穴が空いていくような感覚がした。
私たちの心には、失ったものや失うことを恐れる感情が常に存在している。しかし、その恐怖を乗り越え、大切な思い出を心の中に永遠に大切にするためには、日々の小さな幸せを大切にし、愛する人々との時間を大切にすることが必要なのだ。
この夢は、私自身の心の痛みを表しているのかもしれないが、同時に、私たちが失うことを恐れる心の強さを告げているのである。大切なものを失ったとしても、心の中で永遠に守る力を持つことができるのだから、その強さを信じて、明日を向かって進んでいこう。