易経古来より易と称されるこの神秘的な典は宇宙の変化と万物の生きる理に深く関わるそこで易経の哲学を取り入れた花木の世界を描いてみる
春の訪れ、大地が新緑に覆われる季節。易経では春は「震」と称され、雷が響き、植物が芽吹くこの季節を象徴する。震は「雷が降り注ぐ」という意味で、変化と創造の力を持つ。この力に満ちた春の花木を以下に紹介する。
1. **桜(桜)**
桜は日本の国花であり、春の訪れを告げる象徴です。易経の「震」の力に満ちた桜は、その美しい咲きぶりから「変化」と「創造」の兆候とされます。桜の花は一晩で満開に咲き、また一晩で散ってしまうという、瞬間的な変化を象徴しています。
2. **スイセン(唐菖蒲)**
スイセンは春の花の中でも特に美しい存在です。易経ではスイセンは「艮」という卦に属し、「堅固」と「静止」の意味を持っています。スイセンの咲く姿は、堅牢なものが静かに生きている様子を表しており、春の穏やかさと豊穣を象徴しています。
次に、夏の季節を「離」と称する卦に基づいて、夏の花木を紹介します。
1. **ユリ(百合)**
ユリは夏の花の中で特に美しく、その花色は白、黄、紫など、色とりどりです。易経の「離」は「火」という卦であり、「明るさ」と「照らし出す力」を象徴しています。ユリの花はその色と香りで周囲を明るく照らし出し、夏の暑さを和らげる存在です。
2. **アジサイ(紫陽花)**
アジサイは夏の花の中でも特に注目される存在で、その花は一輪一輪と美しく咲きます。易経の「離」は「変化」を意味しており、アジサイの花はその色と形が変わりゆく様子を表しています。夏の暑さの中でも、アジサイはその輝きで心を癒やし、希望を与えます。
秋の季節は「坤」という卦に属し、穏やかで豊穣な季節とされます。以下に秋の花木を紹介します。
1. **カエデ(紅葉)**
カエデの紅葉は秋の象徴であり、易経の「坤」は「地」という卦であり、「母性」と「穏やかさ」を象徴しています。カエデの紅葉は秋の豊穣を表しており、その美しい色が大地の豊穣を讃えるものです。
2. **サツキ(桜の花)**
サツキは冬に咲く花で、その美しい花は春の訪れを告げる前触れです。易経の「坤」は「変化」を意味しており、サツキは冬の静けさの中で咲くことで、春の変化を予感させる存在です。
冬の季節は「坎」という卦に属し、冷たい寒さが支配する季節です。以下に冬の花木を紹介します。
1. **シャクナゲ(寒桜)**
シャクナゲは冬に咲く花で、その美しい花は寒さの中でも咲き続けます。易経の「坎」は「水」という卦であり、「流動」と「柔軟性」を象徴しています。シャクナゲは冬の冷たい寒さの中で生き延び、春の訪れを告げる希望の花です。
2. **サンショウ(山椒)**
サンショウは冬に実る果実で、その香りは冬の寒さを和らげます。易経の「坎」は「水」であり、「変化」