易经第15卦随卦時の流れに任せて進む応じて動く変化の道を歩む
今日は、中国の古い哲学書である「易经」の第15卦・随卦についてお話しします。随卦は、物事が変化する流れに身を任せ、応じて動くことの大切さを教えています。
随卦の構成は、上から下へと陽の爻(かご)と陰の爻(いんかご)が交互に並んでいます。この卦の基本理念は、「時の流れに任せて進む、応じて動く」です。
随卦の基本理念を理解するには、まず「随」という言葉の意味から始めましょう。随は、他の物事に従う、または応じて動くことを意味します。この卦は、自分の意志を押し通すよりも、周囲の状況や変化に応じて動くことが重要であることを示しています。
随卦の卦詁(かたく)は「随」と書かれており、以下のような意味があります。
「随:利貞。初六:憂慮せず、随従せよ。九二:隨従せず、後従せよ。六三:随従せず、先従せよ。九四:隨従せず、中従せよ。九五:随従せず、先従せよ。上六:随従せず、後従せよ。」
この卦詁から、随卦の基本的な考え方が見えてきます。まず、「利貞」と書かれているように、随卦は正しい道を歩むことを目指しています。そのためには、自分の意志を押し通すのではなく、周囲の状況に応じて動くことが重要です。
随卦の爻辞(ぎょうじ)をそれぞれ詳しく見てみましょう。
初六爻:憂慮せず、随従せよ。
この爻は、新しい始まりに立ち会った際に、過度な憂慮をせずに、変化に応じて動くことを教えています。
九二爻:隨従せず、後従せよ。
この爻は、自分が先頭に立つ場合には、周囲の人々に従うのではなく、自分が後ろにいる場合には、先頭を切る人々に従うことを示しています。
六三爻:隨従せず、先従せよ。
この爻は、自分が後ろにいる場合には、周囲の状況に応じて先頭を切る人々に従うことを教えています。
九四爻:隨従せず、中従せよ。
この爻は、自分が中間にいる場合には、周囲の状況に応じて中間にいる人々に従うことを示しています。
九五爻:隨従せず、先従せよ。
この爻は、自分が先頭に立つ場合には、周囲の状況に応じて先頭を切る人々に従うことを教えています。
上六爻:隨従せず、後従せよ。
この爻は、自分が後ろにいる場合には、周囲の状況に応じて後ろにいる人々に従うことを示しています。
随卦は、自分の意志を押し通すのではなく、周囲の状況や変化に応じて動くことの大切さを教えています。物事が変化する流れに身を任せ、柔軟に対応することで、より良い結果を得ることができるのです。
現代社会においても、随卦の教えは非常に有効です。変化が激しいビジネス環境や私生活において、自分の意志を押し通すのではなく、周囲の状況に応じて柔軟に対応することが大切です。
随卦の教えを心に留め、時の流れに任せて進み、応じて動くことで、より豊かな人生を歩むことができるでしょう。